会食とは何か
会食(フェシク)は、同じチームや会社の人が仕事のあとに一緒に食事をしてお酒を飲む場です。新入社員の歓迎、異動や退職の送別、プロジェクトの打ち上げ、年末など、きっかけがあることが多く、費用はふつう会社か一番上の人が持ちます。日本の飲み会は割り勘も多いですが、韓国の会食は「上の人や会社がおごる」のが基本という点が大きな違いです。業務時間には話しにくいことを話し、お互いを知る場と考えられてきたため、以前は欠席しにくい雰囲気がありました。今は会社や世代によって雰囲気がかなり違うので、まずは同僚にチームの慣例を聞くのが一番確実です。
一次会・二次会・三次会の流れ
会食は場所を変えながら続くことがあり、何軒目かを一次会、二次会と呼びます。日本と同じ呼び方なので分かりやすいでしょう。すべての会食がここまで長くなるわけではなく、最近は一次会で終わることも珍しくありません。
- 一次会:焼肉店や韓国料理店で、食事をしながらお酒を飲む
- 二次会:ビアホールや居酒屋に移って、軽く話を続ける
- 三次会:カラオケに行くか、締めに軽く何かを食べる
席順と乾杯の習慣
店では、出入口から遠い奥の席を上の人に勧めることが多く、日本の上座の考え方とよく似ています。席が決まったら最初の一杯を全員で注いで乾杯から始め、上の人が短い乾杯のあいさつをすることもあります。日本の「とりあえずビール」のように最初の一杯をそろえる場面も多いです。新しく入った人や一番若い人がひと言求められることもあるので、「ありがとうございます、よろしくお願いします」程度の短いあいさつを用意しておくと安心です。お酒の注ぎ方・受け方の基本は「韓国の食事マナー」の記事にまとめています。焼酎とビールを混ぜたソメクをみんなで作って飲む光景もよく見られます。
お酒は断ってもいい
お酒を飲まない人や控えめにしたい人は、丁寧に断って大丈夫です。理由を長く説明する必要はなく、最初にはっきり伝えておけば、その後勧められることは減ります。韓国では杯が空になったら注ぎ足す習慣なので、日本と同じく、少し残しておくのもそれ以上受けない方法です。
- 「お酒は飲めないので、ソフトドリンクでご一緒します」
- 「今日は薬を飲んでいるので、お酒は控えます」
- 「運転するので、今日は飲みません」
- 「一杯だけいただいて、ゆっくり飲みます」
強要が続くとき
何度断っても勧め続けたり、飲まないことで不利益を与えたりするのは好ましくない行為です。韓国でも、飲酒や会食参加の強要が職場でのいじめ・嫌がらせとして問題になりうるという認識が広まりました。日本でいうアルコールハラスメントにあたる考え方です。その場では笑顔でもう一度断り、お手洗いに立って流れを切ってもかまいませんし、親しい同僚に前もって助けを頼んでおくのも手です。同じことが繰り返されるなら、人事部門や社内の相談窓口に相談してください。具体的な基準や手続きは、会社の規定や公式の案内を確認しましょう。
健康を守りながら飲むには
会食は長引きやすく、何種類ものお酒を混ぜて飲むことも多いため、思ったより飲みすぎてしまいます。次の習慣を守るだけでも翌日がずっと楽になります。少し飲んだだけで顔が赤くなり動悸がする人は、お酒を分解しにくい体質の可能性があるので、無理をしないでください。
- 空腹で飲まず、先に料理を食べる
- お酒一杯ごとに水を一杯飲む
- 何種類ものお酒を混ぜて飲む量を減らす
- 薬を服用中の人や妊娠中の人は飲まない
- 気分の悪さが続いたり意識がもうろうとしたりしたら、すぐに助けを呼ぶ
帰り道と飲酒運転
お酒を飲んだら、量に関係なくハンドルを握りません。韓国は飲酒運転の取り締まりと処罰が厳しく、何より他人の命を危険にさらします。車で来た場合は運転代行サービスを呼ぶか、車を置いて公共交通機関やタクシーを使います。韓国では運転代行がとても身近で、日本より気軽に頼む人が多いのが特徴です。深夜はタクシーがつかまりにくいこともあるので終電・終バスの時間を確かめておき、同僚がひどく酔っていたら一人で帰さず、家に着いたか連絡して確認しましょう。自転車や電動キックボードも飲酒後は乗りません。
変わりつつある会食文化
最近は夜の飲み会の代わりにランチで会食をしたり、映画や公演、ボウリングなどの活動で代えたりする会社が増えました。一次会だけで早めに切り上げたり、参加を本当に自由にしたりするチームも多くなっています。外国人社員なら、韓国の習慣をすべて守らなければと気負うより、その場にいて会話に加わるくらいで十分です。会食の翌日に上の人へ「昨日はごちそうさまでした」とひと言伝えると、よい印象が残ります。会社が費用を持たない集まりなら、割り勘にすることも多いです。
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